過去と未来の消失点

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 母親の用事が終わるまでの時間つぶしにパークを散歩していると、リスが通り過ぎていった。引っ越してきたばかりのころは珍しく思ったものだが、今ではすっかり日常の一部だ。
 足元に落ちている木の実を拾っていたが、持って帰るつもりはなかったので、木の根元に置いて芝生に腰を下ろす。そのまま寝転がると、視界が青空でいっぱいになった。穏やかな日差しは気持ちよくて、腕を上げて伸びをする。
 街の様子だけではないなと、ふと思った。イギリスに来てから変装をする必要がなくなったことにも、すっかり慣れた。目の色を変えるためにカラーコンタクトレンズをしなくてよくなったし、母親が実益を兼ねた趣味の延長で開発した変装道具で容姿を変える必要もない。
 いつまでも平穏に過ごせたら良いな。そんなことを思いながら空を眺めていると、動物の息遣いと草を踏む音が聞こえた。徐々に近付いてくるので頭を上げると、犬が駆けてきていた。その後ろから秀一が歩いてきている。
 見つけた! と言うようにつぶらな瞳を輝かせる可愛らしい友と、気心の知れた人間の友を迎えるため、臣はすぐさま起き上がった。
「ハイ、バディ。会いに来てくれたのか?」
 良い子で飛びかかるのを我慢している姿がいじらしい。拾われたときから賢い犬だった。声を掛けると、嬉しそうに跳ねてにくっついてくる。
 バディはチョコレートのようなブラウンとホワイトの毛色のボーダーコリーで、の隣に住んでいる老夫婦の飼い犬だ。元々は捨て犬だったが、今は優しい飼い主の元で暮らしている。
 撫でてくれと期待に満ちた眼差しで下からのぞき込まれて、思わず笑ってしまった。
「グッドボーイ」
 頭から始まり全身を撫でてやると、嬉しい気持ちが抑えきれないというように自ら体を寄せてくるのが愛らしい。普段は穏やかでどこか紳士的な雰囲気さえあるのに、ちぎれそうなほど動き回る尻尾はバディの感情をこれでもかと表わしていて、何度見ても笑いを誘うのだった。
「わるい、邪魔したか?」
「いや」
 首を振って応える。秀一は近所に住んでいる同い年の友人で、親しくなる前から何度かスクールに通う姿を見かけていた。
 ネイティブな言葉遣いだがアジア系の血を思わせる顔立ちなので、初めて秀一を見た時にイギリスで生まれたハーフなのだろうかと思った。臣はアメリカと日本のハーフなので同じではないが、少し親近感が沸いたのだ。実際、秀一の父親が日本人だった。
「空を見てぼうっとしていただけだから」
「そうか」
 秀一の口元が少し緩むのを見て、も頬を緩めた。
「バディと散歩?」
「ここに来る途中に散歩中のコイツと会ったんだ。ついて来ようとするから、行き先も同じだし飼い主から預かってきた。は一人か?」
「あそこに母さんがいるよ。メアリーさんと喋ってる」
 指で示すと、秀一は「ああ」と納得したように頷いた。メアリーは秀一の母親だ。弟はまだ幼くて、眠りそうな顔になっているのをメアリーが抱きかかえた。
 その時、通りを挟んだ向こう側で、集まっている子ども達がきゃあきゃあと賑やかに声を上げた。
「なんだろう」
「多分、トランポリンをしているんだろうな。さっき庭に集まっていたから」
「あ、本当だ。跳んでる子の頭が見える」
 垣根代わりの木々の上に子どもの頭が見え隠れしている。
「シュウ! おまえも来いよ!」
 庭にいる子どもの一人が手を振って呼びかけてきた。シュウイチという名前なので、愛称のようにシュウと呼ばれている。
 も始めはシュウと呼ぼうかと思ったが、メアリー夫妻は日本語の発音で呼んでいることが多いし、秀一がを呼ぶ時も日本語の発音に近いので、いつの間にかも秀一と呼ぶようになった。
 バディがそわそわとしているので、行ってこいと示してやると全速力で駆けていく。
「元気だなー」
「久しぶりに晴れたからな」
 バディとしては思い切り走り回れるというわけだ。
「今日は本当に良い天気だよな」
 バディを送り出して二人で和んでいると、また秀一を呼ぶ声が聞こえた。のことも一緒に誘ってきた子ども達に、と秀一は互いに困ったように顔を見合わせた。トランポリンは嫌いではないし、の家にもあるので寧ろ得意だが、友人達のように純粋に楽しめるかというと難しい気がしたのだ。
「射撃体験の方が良いな。それかプログラミングの手直しをしたい」
 思わず一人言のように呟いた。
「射撃体験か。面白そうだな」
「だろう? 年齢制限があるから、クリアしたら父さんに連れて行ってもらう約束なんだ」
「おーい! 喋ってないで早くこいよっ!」
 二人の母親も気付いてたちを見る。が一緒に遊んでも良いかと聞くと、母親は微笑んで頷いてくれた。メアリーの方は意外そうな顔をしているが、なんとなく察することができた。秀一もも普段からあまり同年代の友人とはしゃぐ性格ではないからだろう。
「宙返り! 今度こそ俺もやるんだからな!」
 はやくも催促のコールがかかった。同年代の子どもに比べて体の使い方が上手いがやると、見世物状態になることは分かっている。飛び跳ねるだけにしようと思っていたが、意気込んでいる少年の目はやる気に満ちていた。
「秀一もやるよな?」
 一人だけ参加する気はない。が立ち上がって手を差し出すと、秀一も仕方ないなと苦笑いで乗ってくれた。繋いだ手を引っ張りながら芝生を蹴る。
 やがて朗らかな午後の住宅街は、興奮してはしゃぐ子ども達の歓声でいっぱいになった。



1




 遠くで一機のヘリコプターが飛んでいる。マンハッタンのネオンが届かない上空は暗く、窓明かりのないビルは夜に包まれていた。
 室内に入ると、先ず血臭が鼻腔をかすめる。は銃を携帯しながら、倒れている人影に近付いた。念のために確認すると、予想通りターゲットの男だった。
 ──射殺か。
 男はテログループの残党だった。死亡してからそう時間は経っていない様子だが、頭部を派手に撃ち抜かれていることから、即死だったと思われる。
 ドアが開いたままになっている奥の部屋は、荷物や引き出しが荒らされている。犯人はターゲットを殺害した後で、目当ての物を探したのだ。目的はと同じ物である可能性が高い。どうやらの方が正確な情報を持っていたようだ。既に手に入れているため、これから犯人が関係箇所を探したところで、無駄骨に終わるだろう。
 流出した生物兵器ウイルスのサンプル回収が優先だったため、ターゲットが死亡していても自身の任務としては失敗ではない。問題は、なぜターゲットは殺害されたのか。或いは、殺害することが第一の目的だったのか。
 そう考えた時、視界の端に赤色がチラついた。振り向く中で細い直線が映り込む。レーザーサイトだった。
「──!」
 咄嗟に飛び退いた直後、ガラスを貫通した銃弾がの頭部を打ち抜いていただろう軌道を突っ切る。レーザーが届く距離にある高層ビルはいくつか隣接しているが、方角や角度ですぐに見当はついた。はソファの後ろから壁まで移動し、死角に入って様子を見る。
 ──退いたか。
 ターゲットを殺害した犯人と同一人物の可能性はゼロではないが、使っている武器が違うことは明らかだった。
は無駄のない動きで室内から出る。何食わぬ顔で移動しながら、情報を共有しているCIA(中央情報局)の諜報員イーサン・本堂に通信を送り、犯人の追跡に移った。
 ──妙だな。
 遺体を見て最初に抱いた違和感は直感的なものだったが、状況的に考えても不可解だった。未遂に終わった狙撃もだが、にはターゲットの潜伏先を特定していた人物が自分以外にもいるとは思えなかった。
 ──他の組織も、まだ情報を得られていなかったはずだ。
 内部スパイ。一枚岩ではないことは重々承知しているため、可能性は否定できない。
 CIAから依頼される仕事は、焦臭いものばかりだ。国の裏の顔を垣間見ることは、あまり良い気分ではない。若い頃にも感じたことだが、特に正義感に溢れているわけでもないのような人間の心にさえ、陰鬱なものを連れてくるのがCIA絡みの仕事だ。
「まったく、嫌になるな。どうせ殺すつもりだったんだろうから、俺には関係ないが……」
 予め確保していた部屋に入り、ノートパソコンを起動させる。おそらくターゲットを殺害したのはCIAではない。彼らが大人しくターゲットをFBIに渡すとは思っていないし、隠蔽する目的でを使ったのは明白だが、だからこそ遺体を放置したままで現場を去っているのは不可解だ。
「ビルのやつは、もう逃げただろうな」
 を狙った狙撃犯に関しては、できれば予想を外したいところだった。勘の良い自分が嫌になりそうだ。
 は口元が皮肉るように撓るのを自覚しながら、犯人の逃走ルートをあぶり出していく。館内外のセキュリティにアクセスし、カメラ映像で不自然な移動をしている人物を見つけた。
 ──近い。
 荷物を全てしまって再び通路に出る。夜間の人の動きもカメラの配置も把握しているので慣れたものだ。予定通りに脱出ルートを通って外に出ると、そのまま犯人が逃げ込んだホテルに向かった。


 ターゲットを殺害した犯人は、予想通りCIAではなかった。 だが、事件は更に厄介な状況に陥っていた。犯人はとある組織のメンバーである可能性が浮上したのだ。
 に追われていることには気付いていなかったようで、追い詰めた際の驚愕の表情がそれを物語っていた。本堂に連絡を入れてから仲間に報告し、捕らえた犯人を拘束。
 狙撃犯については詳細不明と報告したが、本部からの追跡指示はなかった。
 そうして数日後、事態は悪い方向に傾いた。引き渡した犯人が射殺されたのだ。車両から降りて建物に入るまでの数メートルでの犯行。遠距離から狙われたもので、犯人は捕まっていない。
 その頃、は個人的に狙撃犯とCIAの動きについて調べていた。伯父からメッセージで連絡が入ったのは、ある組織について考えている時だった。
「──正気か?」
 思わず目を疑った。それほど信じがたいものであり、有り得ないものだった。
「まさか本当に、俺の暗殺指示が出ているとはな……」
 そんな馬鹿なことがあるだろうかと、推測が外れていることを少しでも期待したのが間違いだったようだ。CIAが抱える問題を思い知った気がした。
 現場で狙われたことを考えると、がターゲットの元に向かう時には既に実行部隊は動き出していたということだ。今になって伯父が気付いたということは、やはり上層部も内部で分裂しているのだろう。
 とはいえ、暗殺とは穏やかではない。一体どんな理由を考えたのかと思えば、どうやら犯人狙撃事件が関係しているらしい。本人のあずかり知らぬところで、が企てた計画ということになっていた。証拠も何もあったものではない。先日報告した情報を上手く使って陥れる算段のようだ。
 ──俺が奴らと繋がっているだって?
 そんなわけがない。寧ろ迷惑しているくらいだ。実際、こうして良いように疑惑の種に利用されたのだから。
 を排除しようとする勢力が存在していることは知っている。自身も、CIAを信用も信頼もしていない。元より腐敗を排除するために飛び込んだようなものだ。だからこそ今更失望することはないが、浅はかだとは思う。
 CIAは何もかもを隠蔽するつもりなのだろう。生物兵器の開発やテログループの残党だけではなく、全容を探り出したまでも。関係者を始末して全てを無かったことにするために──。
「そっちがその気なら、喜んで決着を付けさせてもらおうか」
 理屈が通じる相手ではない。暗殺計画が実行に移されたのなら、契約などあってないようなものだ。
 目的のために自ら飛び込んだ世界。密かに集めた証拠も揃いつつある。今となっては、CIAと繋がっている意義は無いに等しかった。最後に全て片付けるのにはもってこいの展開ではないだろうか? そう考えると、自然と笑みさえ浮かんだ。丁度いいことに、関係者周辺の重要人物に目をつけていたところだ。
 は冴えた思考の中で、決別への道を組み立て始めた。


「……電話?」
 静まりかえっていたホテルの一室に、鈍い振動音が響いた。携帯電話のうちの一つが、着信を知らせていた。
 この携帯の番号を知っている人間は限られている。は吸っていた煙草を指に取り、着信相手を確認した。
 ──”W”
 以前、FBI(連邦捜査局)から個人的に要請があり、極秘裏に捜査に協力したことがある。Wというのは、捜査上で直接やりとりをしていた人物のイニシャルから取ったものだ。当時は副長官だったが、今は引退しているので元副長官ということになる。
 彼と知り合ったのは、元FBI長官で現在はWSG(ワールドスポーツゲーム)会長を務めるアラン・マッケンジーから、旧友であるの伯父に連絡がきたことから始まる。
 伯父から紹介を受けたは、同じように元長官からの紹介でのことを知るに至った副長官とコンタクトを取ることになったのだった。
 当時陣頭指揮をとっていたのは長官だが、その人物は元長官や副長官とは相容れない人物であったため、極めて慎重に事を運ぶ必要があった。
 事件の捜査でと直接の遣り取りをしたのは元副長官のみで、捜査協力は機密事項として扱われた。データは勿論、内部文書にも記載されていない。これはCIAも知らない事実だった。
 事件が解決してから今に至るまで、彼から連絡がきたことは一度もなかった。
「このタイミングで掛かってくるのか」
 思わず漏れた本音に、苦笑いが浮かぶ。丁度面倒な輩たちが動きだしたところだというのに、FBIから掛かってくるとは。
「面倒な予感しかしないな」
 は気怠げに髪をかき上げて、短く息を吐いた。こうして久しぶりに掛かってきたということは、もしかして例の事件だろうかと思い至るが、果たしてタイミングが良いのか悪いのか。
 だが考えようによっては僥倖となるかもしれない。は気を取り直して、電話に出ることにした。
「お久しぶりですね。どうしました?」
 無駄な会話をするつもりはなかった。単刀直入に問うと、安堵したような息遣いの後で、以前と変わらない落ち着いた声が耳に届いた。
「突然の連絡ですまない。ある事件の捜査に、きみの力を貸してもらえないだろうか」
 深刻さを感じさせない口調だが、に協力を持ちかけるということは、何らかの理由で捜査が行き詰まっているということだ。窺うような言い回しをしているが、本音としてはが引き受けることを望んでいるだろう。
「今回の件は少々厄介でね」
「それはそれは」
 FBIが厄介と表現するということは、単純に捜査が難航しているだけではなく、組織的対立も関係しているのだろうかと見当をつける。というのも、かつてが協力した事件の際にも似たような状況に陥っていたからだ。
「先ず聞いておきたいのですが、俺との連絡手段はどうするつもりです? OBとはいえ、以前と違って今の貴方はFBIの人間ではない。表立って捜査に加わることはできない。そうなると、俺は貴方以外の捜査官とコンタクトを取ることになるのでしょうか?」
「その通りだ。人選については既にしてある。名前はジェイムズ・ブラック。彼は今回の事件で特別捜査班のリーダーでもある。……きみの立場も分かっているつもりだ。彼について調べても構わない。信用できる人物であることは、私が保証しよう。他にも人材が必要ならば、きみが望む人材を確保することも可能だ」
「ということは、現段階ではその捜査官一人ということですか」
「ああ。きみの存在は貴重だが、同時に脅威でもある。簡単には教えられない。彼にも詳細はまだ話していないが、きみが受けてくれるなら、すぐにでも紹介するつもりだ」
 その言葉で、が想像していたよりもずっと切羽詰まっているのだと分かった。
「随分と余裕がないですね」
 敢えて言葉にすると、元副長官は深く息を吐いてから話し始めた。
「……きみなら薄々察しているだろう。CIAの動きに関しては、きみの方が深くまで入り込んでいるのだからな。いや、既に関わっているのか。実のところ、そう思い至ってはいる。それでも現状を打破するには、きみの力が必要だと判断した。断るにしても、きみは我々の動きをリークするような真似はしないだろうからな」
 それはその通りだ。とはいえ、FBIの情報をリークしたところで、というのが理由ではあるが。
「なるほど。そこまでして俺が必要なら、その事件とやらは国の中枢が絡んでいるものでしょうか。まだ表には出てきていない……例えば、反政府テログループと生物兵器が絡んだ事件は、俺が把握している中ではかなり面倒な案件です」
 電話口で、一瞬息遣いが乱れた。ほんの微かなものだが、の耳はそれを拾った。
「当たりですか。捜査が難航するのも理解できますよ。情報が掴みづらいはずです。なにせ俺が集めた情報の中の幾つかは、攪乱目的で使い捨てられている節がある。しかも、今回はいつになくペンタゴンとホワイトハウスがピリピリしていますからね。真実は既に隠蔽されつつある」
「ふむ……DIA(国防情報局)か。あそことCIAも相変わらずだな。それにしても、他言して良かったのか? ……いや、きみのことだから敢えて口にしたのだろうな」
「ご明察」
 自分のことを知っている相手との会話はスムーズでいい。変わらぬ察しの良さに口端が上がる。
「それを口にしたということは、FBIに協力するという解釈で間違いないか?」
「ええ。ただ、以前のように俺が一方的に協力するのではなく、交換条件と認識してもらいたい。それでも構わなければ、協力しますよ」
「条件というと?」
「先程貴方も言っていた、人材の確保についてです。察しの通り、今回は俺も渦中の人間なのでね。不本意ながら、少々面倒な立場にいるんですよ。人材の件を頼めるなら交渉成立。俺の現状についての説明も含めて、ブラック捜査官との席を用意します」
「いいだろう。FBIにはきみの力が必要だ。人材の確保の件は、きみの希望の通りに整えよう」
「交渉成立ですね。ブラック捜査官は今どこに?」
「D.Cだ。昨日からFBI本部にいる」
「本部ですか……。あまり良くないですね。FBIがそうであるように、CIAも常にFBIの動きを注視していますから。隠蔽するなら尚更だ。貴方や長官に比べればブラック捜査官の方が接触しやすいとはいえ、警戒するに越したことはないですからね」
「なるほど。今以上に警戒するべきだな」
「ブラック捜査官には、俺が用意した場所まで足を運んでもらいたい。今から準備をします。その前に調べておきたいことがありますから、準備が整い次第、改めて貴方に連絡します」
「分かった。彼にもその旨を伝えておこう。……、引き受けてくれたこと、感謝する」
 というのは、のもう一つの名前だ。複数の名前とそれに合わせた変装の必要性は、勉強と同じように幼い頃に教えられた。アメリカに戻り、としての人生を歩み始めてから、気付けば十年以上が経っていた。



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2022.01.04(01.15改稿) inserted by FC2 system

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